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10月27日

 晴れ、ゴール、14377km、14400km、54km、10−30度
朝、起きてみると、なんと快晴。気持ちのいい朝です。これからゴールする気がしません。昨日走り出した気分です。ただ、最後までトライクが気になります。ゴール前に食事に行きました。シーフードレストランです。何も考えずにロブスターのテールとえびの揚げたのを頼みました。テーブルに運ばれてきて、ドキッとしました。14年前ロブスターを食べに出かけたときに起きた事故だったからです。
 そのときは食べる前におきた事故だったので、食べる事はできませんでした。目の前に運ばれてきた、このロブスターを食べる事で、何かが一つ終わる気がしました。食べ終わって、ピアに向かいました。桟橋の下の駐車場に入ると、上で、こっちこっちと呼ぶ声がします。駐車場の人に上がり方を聞いて、桟橋へ向かいました。
交差点を左折するとアーチがあって、みんなの顔が見えます。歓迎の大壇幕をくぐると、やり遂げた、トライクももってくれた。安心感が僕を包みました。嬉しさはまだこみ上げません。とにかく到着できてよかったという気持ちでいっぱいです。駐車場に入れて、みんなからの握手と祝いの言葉。まるで、8mmの無声映画を見ているようです。この場から逃げ出したい、一人になりたい。
 新聞の取材や、みんなへの挨拶を終えた後、すこし一人にさせてもらいました。海を見ていると、通り過ぎていった人達の顔が浮かんできます。まだ、出来事が思い出に昇華していません。そのとき、そのときのつらかった事が、フラッシュバックして涙が出てきます。死をも覚悟しなければならない事と直面したときに、自分の頭と体と運をめいいっぱい使って、優しいカナダやアメリカの人達に助けてもらい、切り抜けてこれた事に感謝していました。
 そして、助けてくれ人に「やったよ」って、心の中でつぶやいていました。お祝いのパーティー会場へ移動しました。まだ、浦島太郎状態で、あまり何を言っているか分かっていませんでしたが、一応挨拶を終えて歓談に入ったのですが、なぜか自分がここにいるのが場違いの気がしていました。
キャンプ場で一人でかじっていたポテトチップがダブっていました。お赤飯がおいしかった。日本人を感じてしまいました。その後はハリウッド近くのホテルへ移動して、食事に出かけました。いままで溜まった疲れはでません。まだ興奮状態なのでしょう。
【写真説明】 上から
「マリブからいよいよゴールのサンタモニカピアへ向かいます」
「満身創痍でゴールしたトライク」
「出迎えてくれた、みんな」
「緊張が取れていません」


10月28日

 晴れ 夕方雨、14545km、145km、10−30度
朝早くモーテルをチェックアウトして、空港へみんなを送りに行きました。出迎えてもらって、見送るなんて変な感じです。みんなは、何事も無かったかのように帰っていきました。僕にはまだやらなければならない事がたくさん残っています。とりあえず、ロスの街を見ておこうと向かいました。R110の上です。
 また、あの症状です。今思い出しても、背中がぞっとします。すごい音の後クラッチを繋いで、アクセルをふかすと、エンジンが空回りしています。ドライブシャフトが外れました。あの混んでいるロサンジェルスの高速道路の上で右にウインカーをつけて、止まろうとしたとき、ドライブシャフトがはまってくれました。なんて幸運。
 すぐに、高速を降りて下の道でゆっくり走りました。ここでも、ロッキーと修理したときに選択した、強いスプリングが良い結果を出しました。この町も、ダウンタウンのすぐ横にダンボールハウスがいくつも建って、光と影が露骨に出ています。ボストンの篠田さんのお友達で、ビバリーヒルズに住んでいる人を訪ねました。その後、405沿いのSEPULVEDA Blvを南へ下って安いモーテルを探しました。どこも70ドル以上します。やっと、安くて治安がよさそうなモーテルを探し当てて入りました。最後の最後まで神経が磨り減ります。
【写真説明】 上から
「慌てて、高速から降りたロスのダウンタウン」
「ロスのダウンタウン」
「ビバリーヒルズ」

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